発行 高知県視覚障害者の就労を促進する会
2008年3月2日発行
事務局 片岡慈仲 高知市上町4−10−3 電話088−875−6452
情宣担当 藤原義朗 高知市上本宮町239−38電話088−840−0834
1.就労を促進する会の署名行動はじまる。
点字による採用試験の実施と年齢制限の緩和を県と高知市に求めた請願署名が始ま
りました。
2月24日には、寒風の中、帯屋町グリーンロードに13名が集まり、刷り上った
ばかりの署名用紙とニュース第1号を手に持ち行動しました。
1時間の行動で、県と高知市に対する署名が、それぞれを合わせて364筆集まり
、カンパも7582円寄せていただきました。道行く人からは「門前払いなんておか
しい」などの声が聴かれ、盲導犬や音声パソコンのことなど話が盛り上がっていまし
た。
この署名行動を3月いっぱい行なっていきます。ご協力をお願いいたします。また
、視覚障害者の意思表示として、点字の署名行動も行なっています。署名用紙の必要
な方は、情宣担当の藤原までご連絡ください。
2.ジャンボはがき行動スタート
県や高知市の首長や議長、議員さんに向け、点字と普通字とを併記したジャンボは
がきを郵送する行動を始めました。
10枚一組、2百円で普及しています。ご住所とお名前を書いていただいて、切手
を貼らずにポストに投函してください。
ご協力いただける方は、井上(088−840−4624)までご連絡ください。
振り替え伝票を同封してお送りさせていただきます。
3.請願書採択へ向け
高知県2月定例議会と高知市3月定例議会に請願書を提出します。
高知県内の障害者団体や労働組合、ボランティア団体合わせて14団体が請願人とな
り提出する運びとなりました。総務委員会は、県が第1週、高知市は第3週が山場に
なりそうです。
以下は、県議会に提出予定の請願書です。住所と代表者名は省いています。
視覚障害者の採用に関わる請願書
高知県議会議長
山本 広明様
請願人
高知県視覚障害者の就労を促進する会 高知県身体障害者連合会
高知県知的障害者育成会 障害者の生活と権利を守る高知県連絡協議会
高知県難病団体連絡協議会 高知県視力障害者協会 高知県教職員組合
高知県視力障害者の生活と権利を守る会 ブライユの会
高知県高等学校教職員組合 高知県職員労働組合 高知県労働組合連合会
高知市職員労働組合 全日本自治団体労働組合高知県本部
請願趣旨
高知県では点字による職員採用試験が全く行われておらず、重度視覚障害者の雇
用の門戸が閉ざされています。重度視覚障害者は受験を希望しながらも今まで断念し
てきました。
国家公務員試験、司法試験などの国家試験においては、以前から点字による試験
は認められてきました。また、他の都道府県の多くではすでに点字による試験が実施
されており、重度視覚障害者を雇用している自治体も広がってきています。
パソコンや拡大読書器などの支援機器の開発・進歩により重度視覚障害者の就労
は十分可能となってきています。
政府は国連の「障害者の権利条約」の批准に向けて準備を進めていると聞いてい
ます。そして、障害者雇用促進法の改正を進めたり、障害者への就労支援が進められ
る中で、障害者雇用に対する世論が広がっている昨今、早急に重度視覚障害者に対し
ても就労の機会が保障されなければなりません。
学生時代に失明した者にとって、生活訓練や点字習得そして、音声ソフトなど視
覚障害者用パソコンソフトを自由自在に操作できるように訓練すると、社会復帰する
のには三十歳前後となり、現行の高知県職員採用試験を受験することが困難となって
います。
よって以下の項目を請願いたします。
請願項目
1.点字による職員採用試験を実施して下さい。
現行の採用試験では「活字印刷による出題及び口頭による試験(面接)に対応で
きる人」が受験資格者となっており、点字を利用する重度視覚障害者は受験の申込
すらできない状況にあります。重度視覚障害者にも受験の門戸を開いて下さい。
2.年齢制限を緩和してください。
現行の職員採用試験では30歳までしか受験ができないようになっています。39歳
まで受験出来るようにして下さい。
4.資料
公務員試験における点字受験について/国家公務員・地方公務員への就職の現状
2006年3月 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 障害者職業総合センター
(1)国家公務員
平成3年 国家公務員試験I種及びU種(行政職)の点字試験実施
平成8年 点字受験でのU種試験合格者 地方の労働行政機関で働いている。
(2)地方公務員
・昭和49年、東京都福祉職の点字受験実施。以後、ほぼ毎年1人ずつ重度視覚障害
者を採用。
・神奈川県では、一般職のすべての級と障害者特別採用枠について点字試験を実施し
ており、一般職上級、中級職の合格者の他、福祉専門職、電話交換業務などの技術職
などにも多数の視覚障害者が雇用されている。
現在、22の都道府県で点字による採用試験が行なわれている。
(3)高知市では昭和61年より障害のある人の特別枠を作り採用試験(初級事務U
)を行なってきました。
ほぼ毎年試験が行なわれ採用に結びついています。
採用者数は11名で、内訳は、内部障害3名、肢体障害7名、聴覚障害1名です。採
用試験では弱視者向けに拡大読書器の利用は可能ですが、点字による試験は実施され
ておりません。
5.会員およびカンパ募集中
今後、請願行動や宣伝行動、学習会など行なっていきます。強固な組織にしていき
たいと思います。年度会費は一口5百円です。何口でもかまいません。併せてカンパ
も募っています。事務局までご連絡ください。
6.高知市職員を対象にパソコンのデモンストレーション
2月28日(木)、点字図書館で音声パソコンのデモを吉岡会長を中心に行いました。
音声パソコンを用いての視覚障害者の就労能力を知ってもらい、公務員としての就労
に理解を深めてもらうためです。
参加者は高知市役所職員を中心に総計36名でした。
プロジェクターとパソコンを接続した関係でトラブルもありましたが、ワード、エク
セル、アクセスでのデモを行い、目的は達成できたと思います。
7.ホームページ
高知県視覚障害者の就労を促進する会のHPができあがりました。管理は中平晃事
務局員です。今後、就労を促進する会の最新情報や資料的なものなど情報を増やして
いきますのでのぞいてみてください。
http://k-sokushin.net/
8.吉岡会長大いに語る
2月24日のNHKラジオ「視覚障害者の皆さんへ」の番組に吉岡会長への電話イ
ンタビューが全国に放送されました。吉岡会長が大阪で訓練した音声パソコンなどリ
ハビリのこと、就職活動で苦労話などが語られました。コメンテーターである工藤正
一さんより、全国の点字受験の実態などが紹介されました。インターネットで聞くこ
とができます。
http://www.nhk.or.jp/fukushi/shikaku/
スクラップブックより
高知新聞 2月25日付
点字で採用試験を
視覚障害者団体 県などに要請へ
高知市
視覚障害のある人に受験機会をーー。県視覚障害者の就労を促進する会(吉岡邦広
会長)が二十四日、高知市帯屋町一丁目の中央公園北口で、県庁と高知市
の職員採用試験に点字試験を導入することなどを求め、署名を呼び掛けた。
同会は、視覚障害のある人雇用の場を広げようと、十日に当事者や大学教授、県内
の障害者団体などで発足。活動の第一歩として、県と同市の採用試験に対
し、点字導入や年齢制限緩和を求めている。
この日は、吉岡会長ら同会のメンバー十三人が街頭に立ち、「今まで何人もの視覚
障害者が(県や同市の職員採用試験の)受験をあきらめてきた。音声パソ
コンなどが発達し、就労は十分可能」「行政が扉を開くことは、民間企業への大きな
後押しになる」などと呼び掛けた。
道行く人たちは次々と足を止めて署名に応じ、高知市の男性(五七)は「受験機会
は万人に与えられるべき。障害があるからといって可能性を閉ざされるの
はおかしい」と話していた。
同会は今後も署名を集め、尾武ウ直知事と岡崎誠也市長に提出する。(竹内朋子)
写真の説明文
県と高知市の採用試験への点字導入を訴える署名呼び掛けに、家族連れらが応じた。
(高知市帯屋町1丁目)
☆他に3月2日付の点字毎日にも就労を促進する会の活動について記事が掲載されて
います。