就労を促進する会ニュース

【事務局長】 片岡慈仲 高知市上町4−10−3   (電話088−875-6452)    No.3 
【情宣担当】 藤原義朗 高知市上本宮町239−38 (電話088−840-0834)  2008年3月16日発行



1.県議会総務委員会で吉岡会長が意見陳述、全会一致で採択
 3月12日に行なわれた2月定例高知県議会総務委員会で、吉岡会長が意見陳述しました。主な陳述内容は学生時代に失明したこと、点字やパソコンなどのリハビリのこと。  苦労して大学等を卒業しても、障害者求人の応募でさえままならない状況、県外ではすでに点字による職員採用試験を実施している自治体がたくさんあることなどです。
  委員からは「県独自の視覚障害者の雇用創出の方法を検討するように」「受験資格に介助者なしに業務を遂行できるものという条件があるが、業務の一部を介助するだけでよい職務もあるはず。受験資格についても柔軟に検討するように」などの意見がありました。
  また、「臨時職員を特別に募集した前例もある。今から21年度の職員採用計画に盛り込めないか再検討が必要」という意見に対しては、「20年度中に試験が実施できるか検討してみる。遅くとも21年度中には実施できるようにしたい」と、執行部も前向きな姿勢を示しました。14日の委員会で採決が行なわれ、点字受験の実施と年齢制限の緩和を求める「視覚障害者の就労に関わる請願書」が全会一致で採択され、19日の本会議へ上程されることになりました。

2.尾崎知事に署名簿提出、「百聞は一見にしかず」

3月12日、就労を促進する会のメンバー5人で県庁を尋ね、尾崎知事と懇談してきました。その中で多くの方々よりいただいた「視覚障害者の就労に関する請願書」の署名簿を第一次分として、2606筆(内、点字署名62筆)を提出してきました。


尾崎知事からは「重く受け止めます」との返事がありました。

懇談では、吉岡会長がノートパソコンと音声装置で文書作成をするところを見ていただきました。

また、高知が音声パソコンの発祥の地であること、多くの視覚障害者がパソコンを使い就労している人もいることなど話しました。知事からは「実際に見て、実感しました」と感想が述べられました。


3.これまでの取り組み

2/10 高知県視覚障害者の就労を促進する会結成総会と記念

講演会(110名)。高知県と高知市に対して、点字受験

と年齢制限の緩和を求める署名行動スタート。

/17 ニュース第1号発行。

 /24 第1回街頭宣伝行動(364筆集約)


帯屋町グリーンロード。

 /28 高知市役所職員対象に視覚障害者のパソコン操作を

見てもらうデモンストレーション。

/下旬 普通字署名に併せ、視覚障害者の意思表示として点字

による署名行動始まる。点字と普通字を併記した点字

受験を求める要請ハガキ行動開始。


3/1  ニュース第2号発行。

  /2  第2回街頭宣伝行動(412筆)高知市ひろめ市場前。
  /3  高知県議会に請願書提出、障害者団体や労働組合ボラ

ンティア組織など14団体で提出。

  /12  高知県知事に署名簿(第1次分)提出と懇談。

提出署名数2606筆(内、点字署名62筆)。    


  /12  高知県議会総務委員会で吉岡会長、意見陳述。
  /13  高知市議会に請願書提出、障害者団体や労働組合

ボランティア組織など14団体で提出。

/14  県議会総務委員会で全会一致で請願書採択。

  /16  第3回街頭宣伝行動。
  /16  ニュース第3号発行

4.これからの予定

☆高知市長に署名簿第1次分を提出、懇談。






☆高知県議会と高知市議会へ議会傍聴行動。

☆第4回街頭宣伝行動。

☆高知県知事に第2次署名簿提出。

☆ニュース第4号発行。


5.会員大募集とカンパのお願い 
口座番号 01640−7−28097
口座名「高知県視力障害者の生活と権利を守る会」

「高知県視覚障害者の就労を促進する会」に、是非、ご入会をお願いします。一口500円です。カンパもお寄せいただければ幸いです。

6.知事と高知市長あての署名行動を続けます。
 点字による採用試験の実施と年齢制限の緩和を求める署名は、知事への提出に続き、3月17日には高知市長に第1次分として提出する予定です。この運動は、実際に要望が叶うまで行ないますので、署名行動は引き続き行なっていきます。

どうぞ、ご協力をお願いいたします。また、視覚障害者の意思表示として、点字の署名行動も行なっています。署名用紙の必要な方は、情宣担当の藤原までご連絡ください。


7.ジャンボはがき行動ラストスパート
 県や高知市の首長や議長、議員さんに向け、点字と普通字とを併記したジャンボはがきを郵送する行動を行なっています。
 10枚一組、2百円で普及しています。ご住所とお名前を書いていただいて、
切手を貼らず にポストに投函してください。
 ご協力いただける方は、井上(088−840−4624)までご連絡ください。
振替え伝票を同封してお送りさせていただきます。

8.論評
「視覚障害者の就労と障害者の権利条約」 

高知県視覚障害者の就労を促進する会副会長 田中きよむ (高知女子大学教授)

 

高知県における障害者の雇用は、民間企業の場合、法定雇用率1.8%(従業員に占め

る障害者の割合)に対し、実雇用率は1.62%と下回っている(2007年度)。行政は法
定雇用率2.1%(教育委員会は2.0%)であるが、県の部局や市町村によっては実雇用率
が相当下回り、たとえば県教育委員会1.30%、市町村平均1.65%となっている(2007
年度)。

  高知県や高知市は、現在のところ点字受験を認めていないが(22都道府県が導入)、2006年12月に国連で成立した障害者の権利条約では、障害のある人の他者との平等や人権を確保するために必要な「合理的配慮」を行わないことも差別であると規定し、第27条では、雇用に係る募集、採用及び雇用の条件等に関し、障害を理由とする差別を禁じている。
 したがって、公務員試験の受験のために必要な合理的配慮(点字受験の機会確保)、合格した場合の就労環境の合理的な調整等を行わないことは差別に相当する。国はまだ条約批准に向けた準備段階にあるが、国際的潮流に合った国・自治体の対応が求められる。

スクラップブック より








他に、3/13付

読売新聞、高知新聞にも、県議会総務委員会の模様が掲載されています。

また、3/4付

高知新聞、朝日新聞に、県議会議長に対して請願書提出の記事が掲載されました。













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