【事務局長】 片岡慈仲 高知市上町4−10−3 (電話088−875-6452)
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2008年4月26日発行
1.知事と高知市長に第2次署名簿提出
4月23日(水曜)に「視覚障害者の就労に関する請願書」の署名簿を、第2次分と
して提出しました。
高知市長との話合いには、就労を促進する会から6名が出席しました。岡崎市長から
は、「試験問題の点字訳は、時間がかかり間に合わないのが問題」「養護学校卒業生
の就職先が課題」など話しがありました。促進する会からは「他の自治体でも大学入
試でも点字受験が多くの所で行なわれている」ことを紹介しました。市長からは全国
の状況を調べてみたいと答弁がありました。 続いて行なわれた高知県知事への提
出には、人事委員会の鎌倉昭浩(人事課課長補佐)さんに応対していただきました。
鎌倉さんからは、「6月の県議会に向けて報告ができるよう調べている」と話しがあ
りました。促進する会からは、自立支援法の考え方として就労が基本となっているこ
と、障害者を雇用することで福祉行政にもプラスになることを話しました。以下、署
名簿の表書きの抜粋です。
視覚障害者の採用に関わる請願書
平成20年4月23日 提出(第2次分)
請願項目 1.点字による職員採用試験を実施して下さい。
2.年齢制限を緩和してください。
高知県知事 尾崎正直 様
◆署名筆数
5591筆(内 点字署名 19筆)
累計 第1次分 2606筆
第2次分 5591筆
計 8197筆
高知市長 岡崎誠也 様
◆署名筆数
4498筆(内 点字署名 16筆)
累計 第1次分 3319筆
第2次分 4498筆
計 7817筆
2.第5回街頭宣伝行動
4月20日(日)に、高知市ひろめ市場前で行ないました。参加者は「高知県視力障
害者の生活と権利を守る会」の会員を中心に15名。マイク宣伝、ニュース配布、署
名集めなど行ないました。1時間の行動で署名は県知事と高知市長宛て合わせて28
3筆。募金も4567円お寄せいただきました。
署名して下さった方からは「幟を立てるなど、もっと活動内容がわかるように」など
、応援していただける意見がつづきました。
3.働く視覚障害者電話インタビュー/聞き手 正岡光雄
最近「国の就労支援」の積極策もあって、「障害者の雇用率」はアップしています
。その中で、全盲の公務員の存在が注目されています。そこで、今回神戸市にお住ま
いで明石市役所にお勤めの桂田恵子さん(全盲)にいろいろお話をお聞きしました。
桂田さんは、岡山県立盲学校卒業後、お友達に啓発され電話交換士を目指しました
。
大阪にあるライトハウスで訓練を受けましたが、運良く終了前に明石市役所への採用
が決まりました。そして昨年より、今の「子育て支援」担当となりました。
【問】市役所へお勤めを希望された契機は?
【答】盲学校卒業者の大半の人が針灸やマッサージの仕事についていますが、不安定
だし、たまたま友達が電話交換士を目指していましたので、挑戦してみました。
ライトハウスの職業訓練コースには事務系もありましたが、当時はまだ視覚障害者
におけるパソコン関係の仕事も少なかったので、選択しました。職場には同じように
電話交換士の視力障害の仲間が4人もいて楽しく働きました。
【問】昨年より、「子育て支援」の方に変わられたのは希望されたのですか?
【答】一昨年より技能労務士の方を対象に「他の職種への変更試験」が開始され、希
望者は受験できることになりました。人事課の方に相談してみましたところ、「今の
まま仕事をしてもらっていっこうに差し支えないとも言われましたけれども、私とし
ては新たなチャレンジの機会と応募しました。その際、希望の職種の欄がありました
ので、幾つか書きましたところ、その内の一つが叶いました。
【問】現在、具体的にどのようなお仕事の内容ですか?
【答】幾つかありますが一番多いのが、テープ起こしといって、会議や講演を録音し
たものを、パソコンに打ち出し文字化する仕事です。最近では「虐待問題」に関する
会議や講演も増えています。だいいち、自分自身も6歳の息子の子育て中なので、関
心もあります。
その次に多いのが、視覚障害関係団体の話し合いで、参加者に配布する点字資料作
成の仕事です。この場合にはゴミ問題やリサイクルに関する会議がありました。
そして、三つ目には課内での行事等のスケジュールのデータの作成です。パソコンの
仕事は結構多くなります。
【問】通勤のことをお聞きしたいのですが?
【答】ずっと神戸に住んでおり、明石までは電車で約30分かかります。
【問】6歳のお子さんがいらっしゃるそうですが、ご家族のことをお聞きしても宜し
いでしょうか?
【答】主人はやはり全盲で、大阪府庁に勤めて電話交換士をしております。大阪や神
戸の官庁には今も数人ずつの交換士が働いております。そして、6歳の息子がおりま
す。
【問】周りの人たちとのお付き合い等で、何かお困りのことはありませんか?
【答】職場の方はとてもやさしく、普通字の回覧など丁寧に教えてくださいますし、
和気藹々の状態です。また、近所の人たちとも仲良くやっています。マンションの宅
配ボックスがタッチパネル式で困りましたが、お願いしたらお隣の方が手助けしてく
ださいます。
【問】ホームヘルパーは利用されていますか?
【答】手紙や回覧等ありますので2週間に1度くらいの割合でお願いしています。そ
れから、子どもの送迎は時々ファミリーサポート制度を活用しております。
ショッピングはスーパーでもよくサポートしてくれますので、自分で直接お店に出
掛けます。ショッピングも結構楽しみです。
【問】最後にお子さんへの将来についての期待はいかがですか?
【答】とにかく丈夫で元気はつらつに育って欲しいと思っております。
【問】どうもありがとうございました。ご活躍をお祈りしております。
何時もニコニコしていて、しかもハキハキとお答えくださる桂田さんに大変好感を
持ちました。
4.会員募集とカンパのお願い
「高知県視覚障害者の就労を促進する会」一口500円です。何口でも結構です。
振替番号 01640−7−28097 口座名「高知県視力障害者の生活と権利を守る会」
です。
今後、調査活動や資料作成など行っていきます。カンパもお寄せいただければ幸いで
す。
5.点字受験を実施している都道府県、市町村別の人口
★住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数(平成18年3月31日現在)
(参考)高知県 799121 高知市 327644
摂津市 83873 池田市 99756 河内長野市 118870
箕面市 125161 和泉市 180053 荒川区 177846
茨木市 264637 川越市 328200 吹田市 345752
高槻市 354971 豊中市 388115 枚方市 403799
長崎市 455210 杉並区 517811 船橋市 569750
足立区 624146 江戸川区 640585 新潟市 804873
堺市 830175 仙台市 998402 和歌山県 1061559
広島市 1141304 宮崎県 1172402 川崎市 1294439
福岡市 1352221 沖縄県 1381820 京都市 1392746
青森県 1460144 長崎県 1494879 神戸市 1498805
鹿児島県 1759650 札幌市 1869180 名古屋市 2145208
大阪市 2506456 京都府 2566420 横浜市 3544104
静岡県 3775903 兵庫県 5576784 北海道 5629970
千葉県 6035658 埼玉県 7019919 大阪府 8663719
神奈川県 8693373
6.スクラップブックより
中央に大きく「6000人後押し 県が本腰」と縦書きで。
その上に横書きで「視覚障害者採用、年度内にも」
コラムの左上に黒地に白字で「点字試験」と縦書きです。
写真の説明です。
盲導犬ハルクと共に街頭で署名を呼びかける吉岡さん
(県視覚障害者の就労を促進する会提供)
以下が本文です。
ーーーーーーーーーーーーー
県内の視覚障害者たちが、県や高知市の職員採用に点字試験の導入を求めている。
県はこれまで「採用後の仕事が見いだせない」と点字試験が必要な重度の
視覚障害者を採用してこなかった。しかし、2月定例県議会で障害者たちが提出した
請願が採択され、早ければ今年度中にも点字試験が実施される見込みと
なっている。障害者たちの熱意が行政を動かしつつある。 (服部陽)
■請願提出
「採用の門戸を広げてほしい」。3月12日の県議会総務委員会。請願を出した「
県視覚障害者の就労を促進する会」の会長、吉岡邦広さん(30)が県幹
部や議員を前に訴えた。同会は視覚障害者ら約100人で今年2月に発足した。全盲
の吉岡さんの場合、就職活動で民間企業約200社に問い合わせても、応
募できたのは20社ほど。「応募さえできないのはショックでした」と振り返る。
吉岡さんは高知大生だった20歳の時、緑内障で失明した。「障害を理由に何からも
逃げるのは嫌だった」と病気の治療に合わせ点字の学習、歩行訓練など
を積み、大学を7年がかりで卒業した。
卒業後も就職に向けて大阪市内で1人暮らしをしながら訓練所に通い、点字やパソ
コンのスキルを磨いた。それでも企業は、「どんな仕事をしてもらったら
いいのか」「職場まで階段を上るのは危ない」などと理由をつけて応募は断られた。
「障害者への理解自体が進んでいない。まずは接してもらって、どんな仕
事ができるか見てほしい」と語る。
■自治体の責任
県は04年度に初めて、県立病院の医療ソーシャルワーカーとして身体障害者を採用
。知事部局では今春、一般事務職で2人が入庁した。しかし、重度の視
覚障害者は採用しておらず、点字での試験も実施していない。
県によると、点字試験は全国の21都道府県で実施されている。千葉県では視覚障害
者の採用を90年度から始め、3〜4年に1回のペースで採用。三つあ
る県立図書館にそれぞれ1人ずつ配置し、音読のサービスや点字図書の制作など障害
者向けのサービス拡大に努める。また、神奈川県では80年度から点字試
験を導入し、採用者には希望があれば、非常勤の「ワーキングアシスタント」をつけ
、文書を読み上げたり、書類の整理を手伝うなどの支援をしている。同県
人事課は「視覚障害者の職域を広げるのは自治体の責任だ」とする。
■仕事は余るほど
請願の採択を受け、県は他の都道府県での仕事内容を調査し始めた。早ければ、6
月定例県議会に今年度中の試験実施に向けた補正予算を提案する。県人事
課は「活躍できる職域を見いだし、前向きに検討したい」と話す。
全国視覚障害者雇用促進連絡会会長で、30年以上前、東京都が全国に先駆けて実施
した点字試験で採用され、今も都立中央図書館(港区)で働く田中章治
さん(62)は、「仕事はあり余るほどある。障害者の視点を生かすことで、よりよいサ
ービスができるはずです」と指摘する。
県視覚障害者の就労を促進する会は、これまでの約6000人分の署名を集めたが
、点字試験が実施されるまで街頭で協力を呼びかけ続ける方針だ。点字試
験が導入されたらすぐ受験するつもりだという吉岡さん。ただ障害といっても、その
程度や種類はさまざま。「仕事を障害者にあてはめるのではなく、障害者
に合った仕事を組み立てられたら理想。まずは互いに歩み寄って理解することが大切
です」と力を込めた。
◆他に、3月30日と4月23日の高知放送テレビで放映されました。3/26付赤
旗に掲載されました。