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http://k-sokushin.net/
【事務局長】 片岡慈仲 高知市上町4−10−3(電話088−875-6452)
【情宣担当】 藤原義朗 高知市上本宮町239−38(電話088−840-0834)
2008年6月27日発行
No.7
6月8日、視覚障害を持つ医師7名、理学療法士4名が東京に集まり、視覚障害を持つ医療従事者の会「ゆいまーる」が発足しました。藤原も出席してきました。
5年前に欠格条項をなくす運動の中で国家試験制度も緩和され、医師国家試験においても、点字受験や口頭試験でも行なわれ、全盲の医師も誕生しています。
このような中、中途で視覚障害になる医師の存在も把握し発足の運びとなりました。
視覚障害を持ち医療従事者として働く中で多くの困難やバリアーに直面します。その事に対する情報交換や社会への働きかけを目的としています。 医師以外の医療従事者の方々も対象にしていますが、三療関係については組織の力量のこともあり対象にしておりません。もし、視覚障害を持つ医療従事者の方をご存知でしたら「ゆいまーる」のこと、藤原の連絡先をお伝えいただけれは幸いです。
全国視覚障害者雇用促進連絡会の会報「雇用連情報第54号」に、就労を促進する会の呼びかけ人の一人でもある正岡光雄さんの投稿記事が掲載されます。公務員試験における点字受験、そして、年齢制限を39歳まで引き上げる高知の闘いを、昨年10月のシンポジウムの開催、パソコンデモンストレーションから始まり、今年2月の就労を促進する会の結成、その後の議会活動や署名行動などについてまとめて紹介しています。
8月には、全国視覚障害者雇用促進連絡会のホームページにもUPされる予定です(
http://www.koyouren.npo-jp.net/
)。当会のホームページからもアクセスできます。
今回は、横浜市中央図書館で働いておられる川上正信さんに、東京高田の馬場の喫茶店でお会いしお話を伺いました。川上さんは、1952年生まれで現在は全盲、ご家族は奥様と3人の子どもさんがおられます。
Q 点字受験はどのように始まったんですか。
A 神奈川県の視覚障害者の雇用を進める会や全日本視力障害者協議会の運動で、「点字受験を求める」請願運動が起きました。その頃は、のちに社会党の委員長になられた飛鳥田さんが横浜市長をされていたんです。飛鳥田さんご自身も足に障害がある方なんですね。市長さんからも「パイオニアとして頑張って」と、お言葉を頂き、労働組合のバックアップもあり畳み掛けの行動で一般就労に際しての点字受験が始まりました。
Q 1種2種ありますが。
A 大学は福祉学科でした。上級試験福祉職でしたね。入ったのは当時できたばかりの図書館で、それ以降ずっと図書館関係で仕事をしています。その後、横浜市の障害者雇用率は4パーセントに上げましたね。
Q 具体的に仕事内容を教えてください。
A 録音点字の本の貸し出し、来館困難な障害のある人への郵送貸し出し、録音図書を作る音訳者の確保、新着図書案内音訳者の養成研修、デージー図書というカセットがなくなった後の新たなデジタル録音環境を身につける為の業務など行っています。
Q 視覚障害者を雇うことによって、新たに始まったことはありますか。
A 私が入ったときは、何もない。一から始めたんですよ。在宅での視覚障害のある人に対してプライベートサービス、いわゆる委託音訳など、いろいろ障害者サービスを提案もしてきました。最初は理解されずに苦労もしましたよ。しかし、市民からの提案なども後押しして進んできました。また、図書館協力者の人たちとの仲立ちもしています。
Q 視覚障害者の就労のポイントはなんだと思いますか。
A 仕事ができることといったら能力と意欲、サポート体制、パソコンなど機器類の保障じゃあないでしょうか。
対面朗読
さすが草分けの人ならではのお話しでした。特に、視覚障害者を雇うことによって新たな障害者へのサービスが広がり、無縁だった図書館がぐっと近くなった話が印象に残りました。
川上さんは、なごや会という公共図書館で働く視覚障害者職員の会の会長をされています。川上さんから、視覚障害者の情報保障へのほとばしる情熱を感じました。ぜひ、高知にお招きしてお話を聴かせていただきたい方だと思いました。
今回は、大阪市こども青少年局でお勤めの岸本慶子さんに電話取材させていただきました。岸本さんは先天性の全盲の方で、今年採用となられたばかりの方です。
問: 岸本さんが受けられた試験の試験場所や時間等についてお聞かせ
下さい。
答: 他の4人の視覚障害の方と一緒に、別室受験しました。試験時間は通常試験の
1.5倍で、教養試験が3時間、論文・専門試験が3.5時間でした。
問: 通常試験の1.5倍というのは長くありませんでしたか。
答: 私にはちょうどいい時間の長さでした。教養試験はぎりぎり間に合わせましたが、論文・専門試験はそれなりの余裕を持って受験することができました。
問: 他にどのような障害の方が受験されていましたか。
答: 4人が一緒に面接試験を受けたのですが、私を含めて視覚障害者が2人、後は手話通訳者を連れられた聴覚障害の方と介助犬をつれられた方がいました。
問: 今年から大阪府で認められることになりましたが、音声パソコンでの受験はどうわれますか。
答: 点字の読み書きがあまり速くないために受験できなかった人たちが受験できるようになるので、よいことだと思います。
問: 具体的にどのようなお仕事をされていますか。
答: まだ自分専用のパソコンを準備してもらえていないので、今は発送作業の手伝いをしたり、会議の準備や後片付けなどの雑用をしています。
問: 職場でのサポートは何かしてもらっていますか。
答: アルバイトの職員に、私のサポートもしてもらってい ます。しかし、直接私にではなく、周囲の職員がアルバイトの人ごしに仕事を頼むことがあり困っています。
問: 最後に岸本さんがこれからやってみたいことをお聞かせください。
答: 相談等で視覚障害者のリハビリに関わる仕事がしたいです。あとは、障害児の放課後や休日等の学校以外の時間の充実の手伝いをする仕事がしたいです。
問: ありがとうございました。
6.メールアドレスとホームページ
本会のメールアドレスができました。ご意見やご要望ご相談などありましたらお寄せください。
info@k-sokushin.net
なお、本会のホームページは、
http://k-sokushin.net/
です。
就労促進ニュースのワード版とテキストファイル版の第1号〜第6号までや、障害者の就労に関する資料などが掲載されています。ぜひ、アクセスしてください。
7.
大阪府職員採用試験の点字受験での音声の併用について
受験者等説明(概要版)
@ 音声の併用…大阪府職員採用試験(大学卒程度、高校卒程度及び社会人採用の行政A及び行政B)の点字受験の際に音声を併用することができる。
A 音声を併用できる者…人事委員会から点字による受験を認められた者であって、音声の併用を希望するもの。(点字による受験を認める者は、[墨字による出題に対応できない 者で、申込時に点字受験を希望したもの]である。墨字による出題に対応できないかどうかは、人事委員会が個別に判断する。)
B 音声の併用の方法…択一式及び記述式の問題集は、「点字版」と「テキストファイル版」を提示する。受験者は、テキストファイル版の問題集を音声パソコン(スクリーン リーダーをインストールしたパソコン)を用いて読み上げることができる。スクリーンリーダーの設定等により誤読等が生じることがあるが、各受験者が使用する音声パソコンで問題集を正確に読み上げることを保障するものではない。解答の作成は、音声パソコンに入力することにより行う。
C 使用機器等…パソコン、スクリーンリーダーその他の受験に必要な機器は、すべて受験者が用意する。使用可能なスクリーンリーダーは、
PC-Talker XP
95 Reader ver 6.0
JAWS for Windows Ver.7.1
のいずれかとする。
D その他…音声パソコンは、問題集の読み上げ、解答の作成及び解答に必要なメモの作成に限り使用できる。辞書機能、翻訳機能、電卓機能等の使用や、解答を導くための不正な情報の閲覧など、公正な試験の実施を阻害する行為を禁止する。試験中に当該行為があった場合は失格とする。