【事務局長】 片岡慈仲 高知市上町4−10−3(電話088−875−6452)
【編集担当】 吉岡邦廣 高知市枡形9−11
1.県点字試験実現記念講演会(報告 中平 晃)
今年度から高知県の公務員採用試験
(
身体障害者を対象とした採用選考試験
)
を点字で受験可能になったのを記念して、9月23日
(
祝
)
、県民文化ホールで記念講演会を行いました。講師は田中章治氏。参加者は80名でした。
講演で特に記憶に残ったのは、視覚障害者の就労の遅れ、課題とその解決策で、視覚障害者の雇用を断る理由としてよくいわれる「仕事がない」という考え方の克服として、「仕事を障害者に合わせる」のではなく、「障害者に仕事を合わせる」と言う考え方が大切。例として、3人の仕事の中から障害者にできる仕事を抜き出すと、障害者1人分の仕事になり雇用が生まれる。という話です。
あと、点字試験の実施方法についてでは、募集要項の「活字による試験問題に対応できる者」と言う項目の削除。一般就労にはパソコンが使えることが必須。という話です。
講演後は活動報告、特別総会、閉会という流れです。
特別総会は、会員規約、今後の活動方針についてフロア発言を交えて行い、今後の活動方針としては、県の中・上級公務員採用試験での点字試験の実現、高知市の公務員採用試験での点字試験と年齢規制の緩和の実現、県や市の公務員採用試験で音声パソコンによる試験の実現。本会のニュースをカセットテープでも発行した方がいいという提案。視覚障害者のパソコンでの就労訓練を復活する。等が出されました。
記念講演会を終えて改めて視覚障害者の雇用促進のための課題を再認識しました。
最後になりますが、高知県職員労働組合「ふれあい基金」助成をはじめ、多くの方々のご協力、ご支援があってこその今日を迎えることができました。本当にありがとうございました。
今後ともご協力、ご支援をよろしくお願いします。
2.第13回街頭署名活動を行いました。
9月13日ひろめ市場で、13回目となる街頭宣伝署名行動を行ないました。8名の参加で75筆集めることができました。また、この日は同時に、9月23日の県点字試験実現記念講演会のビラ宣伝も行ないました。
3.全視協第28回大会第3回全国委員会で活動報告
9月6日、7日に東京都で開かれた全日本視覚障害者協議会全国委員会で、結成から県の点字試験実施決定までの活動報告をしてきました。全視協の皆さんからは要請ハガキ活動、署名活動等への多大な協力をいただいており、お礼を述べるよい機会ともなりました。また、入会も呼びかけさせてもらったところ、その場で10名近い方が会員になって下さいました。続く8日に行われた厚労省との雇用に関しての交渉にも参加し、職場介助者助成制度の周知と助成期間延長といった全国での課題も勉強してきました。
4.市議会報告
現在までに高知市議会定例会で、点字試験に関して高木妙公明党議員、細木良共産党議員が質問して下さっています。そこでやり取りされた概要を報告します。
6月市議会(6月23日)では高木妙議員が質問に立ってくださいました。「自立支援法や特別支援教育法の実施により、障害があっても社会参加したい想いは強まってきている。日本は国連の障害者権利条約に署名もしており、ノーマライゼーションの見地からも、そうした想いを支えることが必要なのではないか」という旨の発言をされ、点字試験実施における課題と取り組みを質問されました。この質問に対し、吉岡副市長等からそれぞれ、「点字試験を実施するための技術と準備期間が無い、能力を活かせる職場が見出せていない」、「国からの情報提供を求める」といった返答がなされました。重ねて高木議員は、「実施を決定した上で課題に望んでいただきたい」と市長のお考えも質問して下さり、市長からは「実施する方向で課題に臨んでいると聞いている。県と連携しながら進めていきたい」との返答が聞かれました。
9月市議会(9月19日)では県が先行して点字試験を実施するのを受けて、細木議員が「来年度実施に向けてどのような計画をしているのか、業務内容の検討はどうなっているのか」と質問して下さいました。総務部長からの返答は「来年度実施に向けてのめどは立っていない。業務も見出せていない」といったものでしたが、「来年度実施というゴールを決めて、早急に計画を進めてほしい」と再度要望して下さいました。
5.県職員採用試験案内が配布されました
平成20年度の身体障害者を対象とした高知県職員採用試験の案内が配布されました(受付は終了)。今年度から34歳まで受験年齢が引き上げられ、一般事務区分では点字による試験が可能になりました。詳細については高知県人事委員会の以下のホームページをご参照ください。
http://www.pref.kochi.jp/~jinjiiin/keikaku.htm
6.働く視覚障害者インタビューH (聞き手 吉岡邦廣)
今回は日本福祉大学を卒業後、東京都福祉保健局ナーシングホームでお勤めの高山良太さんに電話取材させてもらいました。在学中に社会福祉士の資格を取得した高山さんは、東京都の福祉士採用試験に合格し、2002年度からお勤めになられています。高山さんは全盲の方ですが、片道1時間をかけて毎日通勤されています。
問
:採用試験はライバルが多かったのではないですか。
答
:福祉士の採用試験は点字試験だけで、視覚障害者が対象の試験です。また、受験には福祉関係の資格が必要なので、受験人数は限られていました。
問
:どのようなお仕事をされていますか。
答
:僕が働いている所は特養の老人ホームなのですが、ここで入所されている方の生活相談をしています。あと、都民の方からの介護保健についての質問に電話や窓口で応じています。
問
:お仕事で困られていることはありませんか。
答
:手書きの書類が困ります。できるだけパソコンのデータで渡してもらえるようにお願いしています。
問
:職場でサポートしてくださる人はいないのですか。
答
:毎週火曜日に3時間のヒューマンアシスタントをつけてもらっています。この時に書類を読んでもらっています。
後はリーディングサービス(対面朗読)も利用しているのですが、仕事柄個人情報が多いので、とても気を使っています。書類はコピーして、個人情報に触れる部分を塗りつぶしてもらった上で、対面朗読してもらう等の工夫をしています。
問
:電話相談や窓口相談の仕事はご苦労が多いのではありませんか。
答
:電話相談は相談後に相談記録をつけるのですが、ブレイルメモ(点字電子手帳)でメモを取ることができるので、それほどではありません。ですが、窓口相談では入所申請書等の書類も扱うので、他の職員に確認してもらったり、なるべく提出してもらった書類を使って説明するなどの工夫をしています。あと、何も話さずに待っていらっしゃる方もいるので、窓口当番は気を使います。無人の窓口に話しかけてしまったりすることもあります。
問
:どうもありがとうございました。
7.大阪市、パソコン受験が可能に
大阪府に続き大阪市でも、身体障害者を対象とした職員採用試験において、今年度から音声パソコンが併用できるようになりました。一般事務、福祉職での受験が可能で、音声パソコンでの問題文の読み取り、回答作成ができます。詳しくは以下の大阪市のアドレスをご覧下さい。
http://www.city.osaka.jp/kansajinji/saiyou/
8.第14回街頭署名活動へのご参加を
10月19日(日)14時30分から15時30分にかけて、ひろめ市場にて第14回街頭署名活動を行います。ニュース10号も配布します。ぜひご協力をお願いいたします。
9.スクラップブックより
※ その他、9月
17
日付高知新聞社会3面、
24
日付朝日新聞高知面、毎日新聞
23
面、
10月5日付高知民報にも掲載されました。