就労を促進する会ニュース
【事務局長】 片岡慈仲 高知市上町4−10−3(電話088−875−6452)
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【編集担当】 吉岡邦廣 高知市枡形9−
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2008年12月6日発行
No.11
1.県職員採用試験受験報告 (報告 吉岡 邦廣)
皆さんのご支援により、11月30日、身体に障害を持つ人のための県職員選考試験において点字試験が実施されました。3月県議会で請願書、続く6月県議会で補正予算が採択されるという、頑として就労の門戸が閉ざされていたこれまでが信じられない展開の中、私も受験勉強をし、念願の試験に臨んできました。その模様を報告します。
「テレビ高知」提供
今回学校事務職では点字受験が認められなかったのですが、一般事務2名、学校事務3名の募集に20人の方が応募していました。点字受験者は県庁北庁舎で、3時間の教養試験、1時間の作文試験、15分程度の適性試験を受けました。普通字と比べ、点字は読み書きに時間がかかるため、この試験時間は通常の1.5倍の時間になっています。
試験前に回答用、メモ用の点字用紙が配られ、点字に訳された問題を読みながら、解答していきます。もちろん図表もきちんと点訳されていました。作文試験に続く適性試験は、CDで再生される質問事項に口頭で答える形式で行われました。
寒さで指がかじかみ、点字が読みにくくなることを心配してカイロも持参していたのですが、程よく暖房もきいており、その必要はありませんでした。しかし、中途視覚障害者にとって、点字をすらすらと読むことは容易なことではなく、私も例外ではありません。全国的に徐々に広がりつつあるのですが、音声パソコンの併用も認めてもらいたいという思いが頭を横切りました。
受験勉強は、県立図書館、点字図書館の点訳、音訳ボランティアさんが模擬試験の点字化、参考書の朗読等で、一緒に頑張って下さいました。特にこの
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ヶ月は勉強漬けの毎日でしたが、充実した毎日でした。当たり前のことですが、チャンスが与えられ、その実現に向けて努力できることは素晴らしいことなのだと改めて強く思います。己の努力ではどうしようもなかった今までと違い、これからは頑張れば何とかなるかもしれないのです。
高知県で初めて、一般就労への道が開かれました。まだ小さな道ですが、これから先、様々な若者達がこの道を歩んでゆくことができます。私たちの活動を支援し、協力して下さっている皆さん、本当にありがとうございました。
2.高知市母親連交渉に参加しました
10月10日市民活動サポートセンターにて行われた高知市母親運動連絡会と高知市との交渉に参加させて頂きました。
3.働く視覚障害者インタビューI (聞き手 吉岡 邦廣)
今回は、8年間天王寺夕陽丘保育園で、保育士として働かれている小山田みきさんにお話をうかがいました。小山田さんは大分県の盲学校のご出身で、京都の短大で保育士の資格を取得されています。
問
:保育士のお仕事を見つけるまで、たいへんだったのではありませんか。
答
:求人に応募した保育園には、ボランティアをさせてもらえるようにお願いしました。そして実際を見てもらって、やっと面接にこぎつけるという感じでしたね。
問
:どのようなお仕事をされていますか。
答
:
保育園で体験したことを思い出してみてください。脱尿の後始末をしたり、食事の準備や後片付けをしたり。同じ部屋に他に2人先生がいますが、どうしようもないとき以外は、特別に補助の先生がついているというわけではありません。
問
:子どもたちに絵本の読み聞かせをしてあげたり、ピアノの伴奏をしてあげたりもしますか。
答
:します。絵本を読むときは、点字を子どもが読んでいるページと反対のページに貼るなどして、点字を読む手で絵本が見えなくならないように工夫しています。幸いピアノも弾けます。でも、絵本を読んだり、ピアノを伴奏したりするのは保育の一部です。
問
:
事務的なお仕事はどうですか。
答
:
連絡帳だけは読み書きをしてもらっていますが、それ以外の事務的な仕事は音声パソコンでやっています。
問
:
職場の人付き合いで留意されていることはありますか。
答
:
転んで泣いている子の後ろで、別の子が脱尿する。とてもじゃないですけど、ゆっくり話をする暇なんて無いんです。どんなにがんばっても、私達は健常者より一つのことに時間がかかってしまうので、せめて間違いの無いよう丁寧にやって、迷惑をかけないようにしています。
8年間、子どもたちの安全に神経を尖らせながら、小さな戦場のような職場で働いてこられた小山田さんは、活き活きとした、力強い方でした。
4.市共闘参加報告 (報告 吉岡 邦廣)
12月5日、平和と生活を守る高知市民共闘会議(市共闘)に参加し、高知市人事課課長と交渉しました。課長からは「点字試験実施のための技術的な課題、どのような職務があるかという課題の2つがまだ解決できていない。合格発表まで待って県の試験実施状況を調べる」という答弁がありました。
参加者からは「視覚障害者へのサービスや配慮を改善していくために、視覚障害者当事者の雇用が必要」等の意見が聞かれました。また、「調査状況を教えてもらえないのか」という質問には、「試験の機密漏えいの恐れがあるため、報告は難しい」という旨の答弁がなされました。
5.徳島県で活動報告 (報告 正岡 光雄)
去る11月29日(土曜)徳島市の総合福祉センターで「障害者問題を考える四国集会」が開催され、翌日30日に迫っている高知県庁の採用試験での点字試験を前にして実施にいたる数々の取り組みを紹介しました。
吉岡君は試験前日だったため、参加適わず、正岡が代わって報告を行いましたが、何しろ四国初の試みなので関心も大きく質問も多く出され他見の参加者からは、早く自分たちの地域でも実現するよう頑張りたいとの意見が相次ぎました。
「四国集会」は各県が持ち回りで、昨年は10月27日高知市で開かれました。高知に帰って来たばかりの吉岡君が「高知で点字試験を実現させて、公務員になりたい」と訴え、実質的な運動の出発点になりました。今年の「集会」ではその報告が待たれていました。
更に「合格」の暁には是非とも四国各県で運動を支援して欲しいとの発言も出ました。
6.知っていますか?ヒューマンアシスタント制度 (説明 藤原 義朗)
雇用されている視覚障害者のための事務処理の補助業務
(
朗読、点訳、代筆など
)
を行なう人をいいます。また外出時の付き添いもしていただけます。
イギリスなどでは国費でまかなう制度でしたが、日本でも1988年にこの制度ができました。対象となるのは視覚障害者1、2級の者と上肢障害者です。
【助成金の種類】
1.事務職への配置
【助成率】 3/4
【支給限度額】配置1人15万円
2.事務職への委嘱
【助成率】 3/4
【支給限度額】委嘱1回1万円(年150回まで)
3.非事務職への委嘱
【助成率】 3/4
【支給限度額】委嘱1回1万円(年24回まで)
支給期間は、2005年より15年へと延長されました。助成率は2/3へと10年以降は減りました。 私は、先日「ゆいまーるの会(視覚障害を持つ医療従事者の会)」に参加してきましたが、全盲の医師からは、「医師の仕事は、専門職だからといって非事務職に位置づけられているが、始終文字を読んだり書いたりで、日数制限を取って欲しいなど意見が聴かれました。
※用語説明
配置とは介助のために社内の人が回されること
委嘱とは外部の人がそのために雇われること
7.第
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回街頭署名活動報告
10月19日にひろめ市場前にて、高知市に点字による職員採用試験の実施を求める街頭署名活動を行いました。13人の方にご参加いただき、144筆の署名を頂きました。ご協力いただいた皆さん、どうもありがとうございました。
8.「コラボでトーク」に参加しました (報告 井上 芳史)
「行政と協同・協力して障害者の就労を進めるには」
10月10日、NPO市民会議の主催で「コラボでトーク」が行われました。県就労支援チーム、県男女共同参画課、県身体障害者連合会、県肢体障害者協会が参加しました。
企業に障害者を雇用してほしいと説明に行くと、車椅子をイメージし、車椅子用のトイレやスロープがないといって断られる。行政と障害者が協力し、障害の理解啓発を進めて行かなくてはならない。
また、健常者と障害者が同等の技術を持っていれば、企業は何でも出来る健常者を雇うでしょう。企業が障害者を雇うにはメリットになるものが必要ではないか。そのためには行政が企業に発注する事業を優遇するなど出来ないだろうかなどざっくばらんに話をしました。
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スクラップブックより
※他、12月2日テレビ高知放送のイブニング高知内で、5分程度の特集がありました。
街頭署名、試験勉強、音声パソコンを操作している様子等が放映されました。