高知県視覚障害者の就労を促進する会
ニューステキスト版 No14

2009年11月28日発行
URL   http://k-sokushin.net/
【事務局長】 片岡慈仲 高知市上町4−10−3(電話088−875−645
2)     
【編集担当】 吉岡邦廣 高知市枡形9−11


1 ロービジョンケア講演会のお知らせ
 2010年1月10日(日)15〜17時、高知市保健福祉センター1階検診講
習室にて、日本ロービジョン学会理事長田淵昭雄先生をお招きし、高知県視覚障害
者の生活と権利を守る会と共催でロービジョンケアの診療報酬化と身体障害者手帳
認定の改善についての講演会を催します。講演では職業リハビリについてのお話も
していただく予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加下さい。

2 高知市でも点字試験実施へ
 8月23日に受験要項が発表され、今年度より、身体障害者枠での高知市職員選
考試験が点字で受験できるようになりました。受験年齢も34歳まで緩和されまし
た。
 皆様のご支援・ご協力のおかげで、県に続き30年来の要望が実現し、たいへん
感謝しています。また、これから先、たくさんの方が受験し、この権利を育んでゆ
くことを考えるとたいへんうれしくも思います。本当にありがとうございました。

3 「雇用と就労・自立支援カンパ」より助成を頂きました
 日本労働組合総連合会高知県連合会からの推薦で、「雇用と就労・自立支援カン
パ」より40万円の助成金を頂戴しました。実際に就労している重度視覚障害者へ
の聞き取り調査、県外より講師を招いての講演会・学集会、ニュース発行のための
費用として大切に使わせていただきます。聞き取りしてほしい方、招いてほしい講
師があれば、ぜひ当会までお知らせ下さい。

4 県庁職員選考試験受験報告 (報告 吉岡 邦廣)
 今年も昨年に引き続き、身体障害者枠での高知県職員採用試験を受験しました。
残念ながら採用には至りませんでしたが、今年は1次試験を通過することができま
した。
 1次試験は10月3日、2次試験は11月7日、ともに県庁北庁舎にて行いまし
た。1次試験の教養、作文試験は1.5倍の時間延長で別室受験でしたが、2次の
面接試験は他の受験者と同様に行いました。
 今年は公務員予備校への通学と平行して、点字の読み書きの訓練にも力を入れま
した。点字教科書の準備から始め、点字での数式の解き方、開放に図表を用いる問
題をいかにして点字で解くかといった研究にも多くの時間を費やしました。その甲
斐あってか、今年は1次試験を通過することができましたが、最終的な合否は1次
試験と2次試験の合計点で決るので、来年もまた点字の練習に力を注がねばいけな
いと思います。3度目の正直を目指し、来年も頑張ります。応援して頂いた皆さん
、どうもありがとうございました。

5 高知市母親大会で活動報告
 6月7日ソーレで開かれた高知市母親大会で県職員採用試験での点字試験実現の
お礼の報告をさせて頂きました。また当日は、参加者の皆さんから、高知市での点
字試験実施を要望する署名もたくさん頂戴しました。

6 全視協石川大会で活動報告
 6月12日から14日に渡って石川県で開催された全日本視覚障害者協議会大会
の雇用分科会で、高知県での公務員試験における点字試験実施のための取り組みを
報告しました。多くの方の声で点字受験が認められた高知の取り組みは全国的な注
目を集めており、「早く合格者が出ればいいですね」という応援をたくさん頂きま
した。

7 視覚障害リハビリテーション研究発表大会でポスター報告を行いました。
 9月26日27日と福祉交流プラザで開かれた第18回視覚障害リハビリテーシ
ョン研究発表大会にて報告を行いました。皆で街頭署名をお願いしている模様や知
事を前に音声パソコンのデモを行っている写真等を盛り込み、これまでの活動をま
とめたポスターを作製し、割り当てられたブース内でポスター報告しました。

8 来年度、雇用促進法が変わります @
 障害者の雇用促進等に関する法律とは障害者の雇用のノーマライゼーションを図
るための法律で、達成すべき雇用率やその算定方法等を規定しています。この雇用
促進法が平成22年度から大きく改正されます。その重要な改正点の内、今回は雇
用納付金の納付が義務付けられる事業所が拡大される点について紹介します。
 雇用促進法では現在、従業員数301人以上の事業所に対し、1.8パーセント
の障害者の雇用が義務付けられており、未達成の場合は1人あたり5万円の雇用納
付金を納めなければなりません。今改正では平成22年7月から、雇用納付金が義
務付けられる事業所が従業員数201人以上の事業所まで拡大されることになりま
した。なお、この拡大は平成27年度まで段階的に行われ、最終的に101人以上
の事業所が義務付けられることが決っています。
 高知県には301人以上の事業所が42、201人以上300以下満が38、1
01人以上200人以下が290あります。平成22年度の改正では雇用納付金の
義務付けられる事業所が約2倍になり、雇用率改善に大きな効果が期待できそうで
す。

9 ゆいまーる守田代表を招き、講演会を開催しました (報告 藤原 義朗)
 医師として、視覚障害者として
 9月27日、本会と視力障害者の生活と権利を守る会との共催で、上記のテーマ
で、視覚障害を持つ医療従事者の会「ゆいまーる」代表、守田稔さんを講師に、高
知市障害者福祉センターで、講演会を行なった(35人の参加)。医学生時代、ギ
ランバレー症候群で上下肢麻痺と全盲になられ、医師国家試験は朗読と録音で受験
されたことなど、これまでの道程が語られた。
 2001年、欠格条項が改定され、医療関係の国試も視覚障害者の受験が拡大さ
れた。ゆいまーるで行なったそのアンケートの紹介があった。試験方式に合わせる
のでなく、慣れた試験方式で、障害に合わせた試験方式が追求されることが強調さ
れた。
 ゆいまーるは、現在、医師9名をはじめ、理学療法士、臨床心理士、社会福祉士
、医学生など正会員16名に、医療情報のデータ入力などサポートしていただく支
援会員などから構成されている。もし、あんま・はり灸以外の医療をされている視
覚障害の方をご存知の方は、ゆいまーる副代表でもある藤原までご連絡ください(
рO88−840−0834)。

10 雇用連30周年記念総会で活動報告
 全国視覚障害者雇用促進連絡会(雇用連)からのお招きで、10月4日東京中野
サンプラザで開催された雇用連30周年記念総会に出席してきました。雇用連は国
家公務員試験での点字試験実施を国に働きかけ、実現し、結成以来視覚障害者の公
務員としての就労の道を切り開いてきました。当会も講演会、就労事例調査等にお
いて様々なご協力を頂いており、先立って実現された高知市での点字試験の実施の
報告とともに、日ごろのご支援への感謝を伝えました。 

11 障害者問題を考える四国集会で活動報告
 10月17日、18日と松山市で開かれた障害者問題を考える四国集会に参加し
、公務員試験における高知の取り組みを報告しました。また、高知からはゆいまー
る会員も参加し、録音物や音声パソコン等を用いての資格試験受験事例を報告し、
各個人が日常的に用いている読み書きの手段での受験の必要性を訴えました。 

12 第17回街頭署名活動報告
 6月7日、ひろめ市場にて10人の参加で行った街頭署名活動では75筆の署名
、570円のカンパを頂戴しました。高知市からの発表を以って、高知市長宛ての
点字試験実施を求める署名は終えさせていただきました。ご協力頂いた皆様、本当
にありがとうございました。

13 スクラップブックより
大阪・枚方市:保育士など5職種、点字受験−−来春採用
 大阪府枚方市は、来春採用の保育士採用試験から視覚障害者向けに点字受験を認
めることを決め、28日から応募の受け付けを始めた。受験資格のある全盲の女性
保育士(31)が障害を理由に、大阪市の保育士採用試験の点字受験を拒否された
問題を毎日新聞が報道したのを受けて、庁内で協議。枚方市は「拒否は人権上問題
」として、募集要項に「点字受験可能」と明記した。障害者団体は「受験の機会均
等の動きが出始めたことを高く評価したい」と歓迎している。
 同市人事課によると、同市では職員総数3608人のうち、視覚障害者2人を含
め計63人の身体障害者が働いている。事務員に限って点字受験を認めていたが、
保育士などの採用試験では、これまで視覚障害者からの受験希望の問い合わせはな
く、「点字受験の議論自体なかったのが実情」(木村聡人事課長)という。
 しかし、大阪市の問題が発覚後、職員採用委員会で協議し「保育士資格を持つ人
の受験を認めないのはおかしい」と判断した。保育士の他、来春採用の保健師と土
木技術者、建築技術者、電気技術者の4職種でも点字受験を認めることにした。
 大阪市も問題発覚後、保育士採用試験の点字受験を認めた。
 障害者団体「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」副議長で全盲の楠
敏雄さんは「他の自治体の現状を調査し、同様の変化がさらに広がるような取り組
みを検討したい」と話している。【遠藤哲也】
(毎日新聞 2009/08/28 大阪夕刊抜粋)



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