2010年6月5日発行
URL http://k-sokushin.net/
【事務局長】 片岡慈仲 高知市上町4−10−3(電話088−875−6452)
【編集担当】 吉岡邦廣 高知市枡形9−11
1 2010年度会費納入のお願い
昨年度も物心両面でのご支援をどうもありがとうございました。おかげさまで、高知市で点字受験が認められるなど、高知県の視覚障害者の就労をまた一歩促進することができました。試験での音声パソコン併用をはじめ一朝一夕に解決しない難しい問題もありますが、今年度も着実に活動を継続してゆきたいと思います。会費納入をどうぞよろしくお願い致します。個人会員一口500円、団体会員一口3000円です。郵貯銀行での振込みをしていただける方は口座番号1132043、高知県視覚障害者の就労を促進する会までお願い致します。
2 ゆいまーる高知交流会のお知らせ
視覚障害を持つ医療従事者の会「ゆいまーる」は、医師、理学療法士をはじめ仕事の工夫や悩みなど情報交換していく会です。
結成2年になりますが、11月20日と21日に高知の方々と交流を行おうと思います。11月20日14時より高知市南部障害者福祉センターに於いて、ゆいまーる副代表佐藤正純先生による、仮称「私のリハビリ体験と重ね着人生」の講演を行います。脳外科医をされていた10年前、スキー事故にあい、全盲で重複障害になられてからの体験、重ね着人生という独特の障害受容論を語っていただきます。
3 視覚障害者を対象としたパソコン訓練アンケートへのご協力、ありがとうございました
就労を目指す視覚障害者を対象としたパソコン訓練のためのアンケート調査にご協力頂いた皆さん、どうもありがとうございました。このアンケート結果も踏まえ、9月以降になりますが、県障害者就労支援チームでは今年度実施を目指してプロジェクトを進めているそうです。求職活動中の人を対象とする半日授業の2ヶ月間のコースが想定されています。カリキュラムについては、テープ起こしの技術習得といった受講者のニーズに沿う方向で検討しているそうです。
訓練を請け負う事業所が視覚障害者向けの講座は初の試みとなることもあり、上記のカリキュラムや期間等に関してはまだ本決まりではありませんが、パソコン職業訓練の実施はたいへん具体的になってきました。とくに一般就労を目指す人にとってはパソコンの高い操作技術と深い知識は必要不可欠なものになってきています。訓練実施の折にはぜひご受講を。
4 高知点字図書館に新たに視覚障害者職員を!
6月3日午後4時〜5時、市民図書館に置いて、来年点字図書館を退職する視覚障害者職員の後任問題について、守る会(高知県視力障害者の生活と権利を守る会)役員、点訳ボランティアとともに元気生きがい課戸梶課長、点字図書館公文館長と話し合いを持ちました。
戸梶課長は「全国87施設中51施設で一人以上の視覚障害職員が雇用されており、点字図書館にとって視覚障害職員が必須であることは認識している。また、人事課も昨年から点字受験を実施している。視覚障害者のいちばん適した職場が点字図書館であることを強く訴えていきたい。みなさまも応援してください。」と答えられました。
5 アビリンピック(障害者技能競技大会)に参加しませんか(報告 中平 晃)
今年の高知県でのアビリンピックは8月28日(土)に高知市で行われます。高知での視覚障害者の部門は今年で3回目になります。他県に比べるとまだ始まったばかりです。皆で切磋琢磨しましょう。
去年の高知での競技は音声ワープロでした。音声の出るパソコンとワープロソフトを用いて課題をクリアします。画面拡大ソフトも使用可能です。課題はイベント案内を打ち込みレイアウトを整えて提出というものでした。今年も同じ感じになると思います。
詳細が分かり次第、ホームページでお知らせします。
6 講演・学習会を開催します
まだ日時は決まっていませんが、10月に第5回目の講演・学習会を計画します。これまでは日本ライトハウス職業訓練部長の津田先生、視覚障害者雇用連会長の田中先生など、経験豊富な方の講演でしたが、次回は就職してあまり長く勤務していない若い方を複数お招きして、就労試験に当たってのことや、勤務先での苦心・工夫、人間関係のことなどに付いてお話していただければと思います。
まだ講師は決まっていませんので、みなさまの講師に付いてのご希望やご推薦などを吉岡会長か、片岡事務局長までお寄せください。
7 県、高知市職員採用試験日程のお知らせ
2010年度の県、高知市の身体障害者を対象とした職員選考試験の実施スケジュールをお知らせします。両試験とも点字受験可能と思われますが、高知市の今年度の試験については、まだ未定です。
高知県
要項発表: 7月13日(火)
出願受付: 8月13日(金)〜9月1日(水)
試験日: 10月3日(日)
高知市
要項発表: 試験が行われる場合、8月末に、出願期間と併せて新聞、インターネット等で発表。
試験日: 9月末ごろ
8 働く視覚障害者インタビューL (取材 藤原 義朗)
金子聡さん、大切なのは「告白力」
1月の終わり、東京湯島の喫茶店で会い、お話を伺いました。43歳、手帳は1種 2級の方です。網膜色素変性症で視野障害があるため白杖歩行をされています。
金子 食品会社で物流のマネジメントをしています。つまり商品がちゃんとそろっているかチェックし、販売チャンスロスを無くす仕事です。エクセルで関数を入れて、ジョーズ、エックスピーリーダーを使用しています。視覚障害者は電話が使えるということで、今の仕事が出来ています。社内でプレゼンもします。
金子 成果をきちんと出さないといけない会社です。200人いますが、3ヶ月で辞める人もいます。社長がフランス人になり、障害者を雇用しなければならないということで雇用につながったわけです。職場で視覚障害者が働くということは、その職場によって求められるものも違うし、視力の程度も個人差があることなので、こうでなければならない、というものは必要がないと僕は思います。むしろ、視覚障害者が抱えている最大の問題は、眼が見えない、見えづらいことではなく、職場においては「コミュニケーションが取りづらい」ことだと思います。自分が何が出来て、何が苦手で、どんな風に見えて、どんな風に見えづらくて、何を手伝ってもらいたくて、どこまでを自分でトライしてみたくて、等々の、伝えにくい部分をどう「告白」することができるのか、また、それを受け止めてくれる環境をどこまで作れるのか、というのが、最も大切な部分だと思うのです。
厚生労働省の制度で雇用のために職場の近くに住居保障援助する施策があります。これもプレゼンしました。
藤原 ロービジョン訓練のサークルをされてると聴きましたが。
金子 訓練は毎月するんですが、ロービジョンセルフトレーニングはまず、弱視の人たちの見え方のトレーニングをして、拡大読書器や歩行のトレーニング、パソコンやPTP1など練習していくサークルです。自分のしたいことを最大限発揮するための取り組みが必要なんじゃないかな。
9 スクラップブックより
【障害者雇用】率先すべきは自治体だ 2010年03月15日08時18分
県内の自治体で働く人に占める障害者の割合が昨年6月時点で、県、市町村平均ともに全国ワースト1位であることが高知労働局のまとめで分かった。
障害者雇用促進法では、障害者がそれぞれの能力を生かせる就労の場を不当に制限されないよう、各職場の法定雇用率(国、地方公共団体など2・1%、民間企業1・8%)を定めている。
県の機関のうち、知事部局や県警などはいずれも法定雇用率を超えたが、知事部局は2・11%で、同部局としては2年連続の全国最下位となった。
さらに深刻なのは、一部事務組合などを含む市町村の機関だ。雇用者数は前年より4人減少、平均雇用率も1・64%と全国平均を大きく下回り、6年連続で最下位という不名誉な記録が続いている。
一方で、県内の民間企業は厳しい雇用情勢の中、実数で1千人の大台に乗せ、平均雇用率は微増の1・75%。法定雇用率には達していないものの全国平均を上回った。
民間企業がわずかながらでも雇用率を上げているのに対して、県や市町村がこのような状態では、公的機関としての立場も揺らぐことになる。
財政力の弱さや行政改革による人員削減など、雇用率の伸び悩みには相応の理由があるとはいえ、看過できる実態ではない。まず自治体などが率先して、1人でも多くの障害者を雇用する具体策を立てることが求められる。
また県や市町村など県内の公的機関で働く障害者のうち、98・5%は身体障害者で、「知的」「精神」の障害者が極めて少ないのも問題だ。
高知労働局は「仕事に人を合わせるのではなく、障害者に合わせた仕事を見いだす職場開拓が必要」としている。自治体などは、障害のあるなしにかかわらず、互いに認め尊重し合う「共生」の観点から、発想を転換して見直しを進めていく必要がある。
同労働局はこれまでに、法定雇用率が未達成の市町村などを直接訪問し、改善を要請している。
民間企業が頑張る中、自治体などの機関がこうした指導を受けなければならないようでは情けない。
すべての公的機関が法定雇用率の達成に向けて前向きに取り組むことが、県全体の底上げにもつながる。より一層の努力と工夫を求めたい。
(高知新聞ホームページより)